【短】最強のあたしが3番目に強い男に恋をした
「からかいなんていらない」
「……」
「ユウちゃん、俺が作ったご飯じゃなくてもいいから、なにか食べて……? なにも食べないと、体が弱っちゃうよ」
困った顔で黙り込む善の次に絡んできたのは、泣き顔の哲弥。
弱ると言われて、それもいいかもなと嘲笑が浮かんだ。
地味な格好をしていたあの子は、喧嘩とは縁がなさそうだった。
あの子みたいに、あたしも力がなければ、少しは風吹に見てもらえたのかな。
そんなことを考えて、余計に落ち込む。
「やれやれ……それじゃ、気晴らしに出かけるか? 甘いものだったら食いたくなるかもしれないし」
「いい……」
「あ、デートにするか、デート。ユウの為にも、最後のチャンスをやろう。秋弘、ちょっと」
「あぁ? なんだよ……」