【短】最強のあたしが3番目に強い男に恋をした
そうは思うものの、あいつの言葉が本当だったら、掴みに行くしか選択肢はない。
「優里……」
惚れた女の名前を呟いて、俺は駆け出した。
****
Side:廣井優里
宏大に無理矢理連れ出された先は、平日の日中で人がまばらな繁華街。
やる気のないあたしを引っ張るように、子供っぽく手を繋いで歩く宏大の姿は、ともすれば彼氏に見えるらしい。
さっきすれ違ったおばちゃんにそう言われたから確かだ。
恋人に間違われるなら、風吹がいいのにな……。
「ユウ、クレープなんてどうだ? おかず系もあるぞ」
「宏大が食えば……」
「なに、俺と半分こしたいって? ユウは本当に可愛いな~」
「んなこと言ってねぇし……」
妄言を吐く宏大に、ほんの少しイラッとする。
ツッコめばツッコんだで、「元気出てきたなぁ」とわしゃわしゃ頭を撫でられた。
「優里……」
惚れた女の名前を呟いて、俺は駆け出した。
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Side:廣井優里
宏大に無理矢理連れ出された先は、平日の日中で人がまばらな繁華街。
やる気のないあたしを引っ張るように、子供っぽく手を繋いで歩く宏大の姿は、ともすれば彼氏に見えるらしい。
さっきすれ違ったおばちゃんにそう言われたから確かだ。
恋人に間違われるなら、風吹がいいのにな……。
「ユウ、クレープなんてどうだ? おかず系もあるぞ」
「宏大が食えば……」
「なに、俺と半分こしたいって? ユウは本当に可愛いな~」
「んなこと言ってねぇし……」
妄言を吐く宏大に、ほんの少しイラッとする。
ツッコめばツッコんだで、「元気出てきたなぁ」とわしゃわしゃ頭を撫でられた。