【短】最強のあたしが3番目に強い男に恋をした
片手を地面について、あたしに覆い被さるように倒れた風吹の額からは、一筋の汗が伝う。




「……最強でも、好きな女を守りたくなるのが、男だ」


「は……?」


「今度は、最後まで聞け……恋がしたくて、普通になろうとしてるなら。恋をした相手が、俺だったなら……」


「っ、だから!!」




改めて振られるなんてゴメンだ。

先手を打とうとすれば、眉根を寄せた風吹は、切れ長の瞳を伏せてあたしの口を塞いだ。


――キス、で。




「……もう、隠す必要はない。俺は、優里が最強でも……いや、最強だから、好きなんだ」


「……え?」


「もう一度言う……優里が好きだ」


「……っ!?」




あたしを見下ろす真剣な瞳が信じられなくて、目を見開く。


今、なんて言った?

風吹が……あたしのことを、好き?




「だ、だって、前に女とカフェに……! あの子が、彼女なんじゃ……!?」
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