【短】最強のあたしが3番目に強い男に恋をした
それは、付き合うか否かの問いに聞こえた。
風吹の口元は、珍しく微笑んでいて。
あぁ、好きだ……って思いながら、あたしは無意識に頷く。
「はい」
あたしの答えを聞いて、風吹は初めてするように、ゆっくりと唇を重ねた。
……ぐぅぅぅぅ
「……?」
「はっ……!」
あたしの腹が盛大に音を立てたのは、そんな時だ。
風吹はきょとんとして、あたしを見下ろす。
あたしは別の意味で真っ赤になった顔を、必死に背けた。
「……」
「い、いや、あの、これは、その……っ!」
「……腹、減ってるのか?」
「い、いいい、いやぁっ?」
ぐぅぅぅぅぅ
「くっ……!!」
「……ふっ。飯、食いに行くか」
風吹は初めて柔らかく笑うと、あたしを抱き起こす。
そんなこんなで、あたし達の“一生に一度”の告白は、締まらない形で終わった。