【短】最強のあたしが3番目に強い男に恋をした
「愛じゃないんだ。あたしは恋がしたい」
「はぁ……分かったよ。気が済んだら帰ってこい。それと、連絡は取り続けること」
「チッ、仕方ないな。メッセは送る! じゃな!」
これ以上引き止められないように、話を切り上げてあたしは幹部部屋を出て行った。
“最強の不良”は、今日で終わりだ。
――『な、■■だよ■前……!』――
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「それじゃあここで待っててね」
「はい!」
先公にも敬語を使って返事。
うん、“普通”っぽいな!
自分自身に満足しながら、あたしは教室の前で立ち止まった。
親に頼み込んで、不良校から普通の学校に転校させてもらったあたしは、今日から普通の生徒として過ごす。
口調を正して、負け知らずの拳も封印。
何せ、“最強の不良”じゃ恋ができないからな!