【短】最強のあたしが3番目に強い男に恋をした


「愛じゃないんだ。あたしは恋がしたい」


「はぁ……分かったよ。気が済んだら帰ってこい。それと、連絡は取り続けること」


「チッ、仕方ないな。メッセは送る! じゃな!」




これ以上引き止められないように、話を切り上げてあたしは幹部部屋を出て行った。

“最強の不良”は、今日で終わりだ。




――『な、■■だよ■前……!』――




****




「それじゃあここで待っててね」


「はい!」




先公にも敬語を使って返事。

うん、“普通”っぽいな!


自分自身に満足しながら、あたしは教室の前で立ち止まった。

親に頼み込んで、不良校から普通の学校に転校させてもらったあたしは、今日から普通の生徒として過ごす。


口調を正して、負け知らずの拳も封印。

何せ、“最強の不良”じゃ恋ができないからな!
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