【短】最強のあたしが3番目に強い男に恋をした


「――というわけで、どうぞ。入ってきて」


「よしっ」




気合いを入れて扉をカラカラと開ける。

穏やかな表情を意識して教壇の隣まで歩くと、ニコリと笑いながら、並んだ机に体を向けた。




「おぉ、可愛い……!」


「すご、顔ちっちゃ……」




今可愛いって言ったやついたな!?

顔覚えるぞ!


ギンッと教室内に視線を走らせて、あたしに見惚れてる男共の顔を記憶する。

出だしは順調だ……!




「自己紹介をお願いします」




先公のそんな声に、はいと答えようとした時、教室の隅で日差しを受けている銀髪が目に入った。

なかなかイカした髪色だな、と思ったのも束の間。




「――!」




その下の、整った横顔に目を奪われる。




「……廣井(ひろい)さん?」
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