【短】最強のあたしが3番目に強い男に恋をした
「窓際、一番後ろの席の人!」




先公の声も耳に入らず呼びかけると、銀髪の男は視線だけをこっちに向けた。

目が合えば、たちまちに鼓動が速くなって、“一目惚れ”というものを理解する。


――幸先がいいじゃないか。

あたしは、あいつと恋がしたい!



思い立ったら一直線。

そんな性格をしたあたしが、惚れてすぐ告白をするのは当然だった。




「好きです!」


「……そうか」




銀髪の男は少し目を見張って、それだけ言うと視線を窓の外に戻す。

無表情に戻ったその顔の下で何を考えているかは、読み取れない。


……つれないんだな。

上等だ。


あたしはニッと笑って、銀髪の男を振り向かせることを決意した。

不良のメンタル、舐めんなよ。
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