【短】最強のあたしが3番目に強い男に恋をした
「廣井優里です。好きな芸能人は涼風朝音ちゃん、好きな曲はラブ♡ユーです。よろしくお願いします!」
猫を被った笑顔で自己紹介をすると、銀髪の男があたしを一瞥した。
へこたれなかったことが意外だったのか?
「えぇっと、ありがとう。廣井さんの席は真ん中の一番後ろよ」
「分かりました!」
1番後ろにぽつんと置かれた机に向かうと、ホームルームは微妙な空気で続く。
当のあたしはさっきの曖昧な返事なんて気にせず、銀髪の男を眺め続けた。
切れ長の瞳、目尻の下にある泣きぼくろ、笑うことなんてなさそうな唇。
顔がいいだけなら神龍で見慣れてるけど、見てるだけでこんなにドキドキするのは初めてだ。
絶対、仲良くなってみせる!