Rebuild ~SEな元カレは彼女との空白の5年間をとり戻したい~
「神流さぁ~ん! 早かったんですね。ご連絡くださればよかったのに~!」
緊張した空気を壊すかのように、部屋の外から高い声が聞こえる。
この聞きなれた声は浅間さんだ。
そして、「芦川」と水原の声も聞こえて、私は心底ほっとしていた。
乗っかっていた大きな手から慌てて離れると、次はぐい、と腕を引かれる。
驚いて目を見開いたとき、唇を耳元に寄せられた。
「残念、邪魔が入ったな」
その低い声に、ぎゅっと胸が掴まれる。
(っていうか邪魔って……)
あなたは浅間さんと仕事しに来たんでしょう、と怒りたかったができるはずもなかった。
もうそんな軽口を叩ける間柄でもない。
彼はただの他社のシステム担当者。それだけだ。