Rebuild ~SEな元カレは彼女との空白の5年間をとり戻したい~

 彼は私を向かい合わせにして、自分の頬を軽く掻く。
 そして、まっすぐ私を見た。

「それは上司として? 男として?」
「だ、男性として、です」

 人生はじめての告白。
 するりと出てしまった言葉に驚いたのは、私自身もだった。

 でももう引き返せないと思って、素直に答えた。

「すみません、こんなの迷惑だってわかってたんですけど、でも……もうすぐ新人期間も終わって、こんなふうに一緒に行動もできなくなってしまうから。気持ちだけはちゃんと伝えたくなっちゃったんだと思います。いや、実際は言う気はなかったんですけど、自分でも驚いちゃった。あ、はは……」

 最後に不安になってきて誤魔化すように笑ってしまう。

 神流さんに目を向けると、彼は眉の間を人差し指と親指でつまみ、はぁ、と息を吐いた。

 やはり迷惑だっただろうか、とドキリとする。

 しかし、次の聞こえたのは予想もしてなかった言葉だ。
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