Rebuild ~SEな元カレは彼女との空白の5年間をとり戻したい~
4章:5年前②
【5年前②】
納品が重なったり、私も浅間さんとペアになったばかりだったりで、あまりデートはできなかったけど、同じ会社ではあったので顔を合わせる機会はあって、交際自体は順調だった。
初めての彼なので何が普通かよく分かってなかったけど、神流さんはいつも私を気遣ってくれて、彼に大事にされているのを実感していた。
交際半年して久しぶりのデートのあと、神流さんはいつもどおり私をマンションまで送ってくれる。
しかしいつもと違ったのは、彼が私の部屋にそのまま足を踏み入れたことだった。
これまで彼は部屋の鍵を開けて私を部屋には入れるのに、自分は入らなかったのだ。
恋愛の先に何があるかは当然知っていたけど、私も自分から誘うこともできず、そうしているうちに半年が過ぎていた。
そんなわけで、彼には性欲なんてものはなくて、私もそのあたりは知識不足で不安だったので、ないならないでいいかな、なんて思っていたタイミングだったので心底驚いた。
「雫」
玄関ドアを入ったところでいきなりキスをされる。
最近増えてきた舌を絡めるキスをして、唇が離れたと思ったら、もう一度唇が重なってそのままキスは続行された。
「んっ……」
執拗に絡められる舌は、顔が熱くなって頭がじんじんする。
神流さんとするキスが好きだった。
彼をいつも以上に近くで感じることができるのが嬉しくて、離れがたくなるのが難点だった。