Rebuild ~SEな元カレは彼女との空白の5年間をとり戻したい~
どれくらいしていたのか分からなくなったとき、彼の手が背中に直接差し込まれた。
「ひゃっ……」
「すまない。俺の手、冷たいな」
そう言いながらも手は肌の感触を確かめるように触れ続ける。
驚いて固まっていると、もう一度キスをして、そのキスが次は首筋に埋まった。
少し強引な動きに思わず身をよじる。
彼は私の後頭部に手を添え、熱っぽい瞳で私の目を捉えた。
「雫は分かってなかっただろうけど、俺はいつも雫をこの部屋に送り届けるたび、雫を抱きたいって思ってた」
「だ、抱きたい……って」
「すまない、雫が少し酔ってる時にこんなこと。正常な判断力がある時にしたかったんだが、いつも俺も雫も仕事ばかりで二人で一晩過ごせる機会もそうないだろ。もし嫌ならそう言って。今なら何とか止められるから」
(止めるって、やめて帰っちゃうってこと?)
それは嫌だ。
このままここでキスの感触と共に一人残されてしまう方が嫌だった。