Rebuild ~SEな元カレは彼女との空白の5年間をとり戻したい~
「それに、別に会社で呼び間違えてもいい。それで周りに知られれば一石二鳥だ」
「だめですよ! きゃっ!」
首を横に触れば、おしおきのようにキスがまたたくさん落ちてくる。
そのまま彼は足から太ももにかけてキスを落としながら、続けた。
「なんで? 俺はみんなに知っておいてほしいのに」
「だめ。絶対、だめっ」
「分かった。でもベッドの上でくらいは呼んでほしい」
そう懇願されて、言葉に詰まる。
と思ったら、彼は意地悪するように太ももの内側に触れ、キスを続けた。
「ほら、雫?」
「ひゃっ、だめ」
「言って。言わないと、もっとするから」
「み、深月さん……!」
これ以上されたら堪らないと、叫ぶように彼の名を呼ぶ。
その途端、ちゅう、と強くふとももの内側を吸われた。
今まで感じたこともないぞくぞくとした感覚に身体を震わせ涙目になると、いつの間にか目の前に神流さんがいて、そっと頬に触れた。
また唇が深く重なる。
「雫、好きだ。愛してる」
神流さんの低い声を聞いて身体の震えが止まっていた。
彼が私の名前を呼んで、好きだ、愛してる、と言ってくれるから。
私は私の名前が大好きになったんだ。