Rebuild ~SEな元カレは彼女との空白の5年間をとり戻したい~
5章:5年前③
【5年前③】
次の日の朝、私は神流さんの腕の中で目覚めた。
「おはよ」
目の前の端整な顔に驚いてぐるりと反対を向くと、それを咎めるように後ろから抱きしめられて首筋に、背中にキスを落とされる。
「や、もう、あ、朝です」
「朝だからよく見えていいな」
神流さんがくすくす笑いながら、まだキスを落としてくる。
この人はきっとキス魔というやつだ。
昨夜だって、唇だけでなく全身全て余すことなくキスされた。
でも、それが嫌かと問われれば、嫌ではない。むしろくすぐったいくらい幸せで……。
ただ、そんなふうに誰かに真摯に愛されることが初めてで戸惑うだけだ。
「よくないですっ。本当にお見せできるほどのものでもないのでもう見ないでください」
「どこも想像以上に可愛かった。想像ばっかりしてたものが目の前にあれば見るのは当然だろ」
「想像ばっかりしてたって!」
「これでもかなり我慢した方なんだから想像するしかないだろ。それに、今ほど視力がよくて良かったと思ったことはないな。視力は、雫にはかなわないけど」
「知ってたんですね」
「健康診断のあと、水原と話してただろ。つい聞いてしまった」
それを聞いて思わず顔が綻ぶ。