Rebuild ~SEな元カレは彼女との空白の5年間をとり戻したい~

 うとうとしかけた時、ぴた、と神流さんの手が止まる。
 見上げると額に口付けられた。

「ところで雫、ベッドの中では名前を呼ぶって約束を忘れてる」

 ちゅ、と鎖骨に彼の唇が埋まる。

「早く慣れて。名前で呼ぶことも、こうしてキスされることも……」

 ぎゅっと抱きしめられて、それから不埒な手は太ももを撫でる。

「それに抱かれることも慣れてほしい」
「そ、それは当分無理そうです」

 答えると同時に唇が重なった。

「ぅんっ……」
「可愛いな」

 ちゅ、ちゅ、と何度も遊ぶように唇がくっつく。それから手触りを楽しむように肌に触れられる。
 くすぐったくて身をよじると、余計にそうされた。

(幸せ……)

 伸ばした手を握られる。
 ぎゅ、と握り返すと、神流さんが微笑む気配がして、その手をベッドに縫い付けられた。
< 37 / 68 >

この作品をシェア

pagetop