Rebuild ~SEな元カレは彼女との空白の5年間をとり戻したい~
少しして遠くから神流さんのスマホの着信音が聞こえる。
「ん、神流さん。電話」
「今日くらい放っておこう」
「だめです、仕事ですから」
「……今ほど仕事をしたくないと思ったこともないな」
最後にもう一度キスを落とすと、彼は諦めたようにベッドから這い出し、玄関脇に置いてあった鞄から電話を取った。
「あぁ、浅間さんか。どうした?」
電話の相手は浅間さんらしい。
それから何分か話していて、私は心地よいベッドの中でそっと目を閉じていた。
外ではぽつりぽつりと雨が降り出し、いつのまにか激しく降るまで、そう時間はかからなかった。