Rebuild ~SEな元カレは彼女との空白の5年間をとり戻したい~
神流さんの目はまっすぐ私の方を見ていた。
怒ってるわけではないが、寂しそうな目だと思った。
一言も聞かなかったのは私が怖かったから。事実を知ってしまうのが怖かったからだ。
はぁと神流さんが息を吐いて、続けた。
「5年前、浅間さんの父親である社長に呼ばれた。話した場所は一階のラウンジ。部屋には入ってない。必要なら社長に責任をもって証明してもらう」
あまり表情が変わらない人だけど、今日は特にそうだ。嘘を言っているとは思えなかった。
淡々と神流さんは続ける。
「営業の浅間さんと一緒にと社長に呼ばれたんだ。過去に仕事の話しをあのホテルのラウンジで話したことあったから仕事の話だと思った。しかも浅間さんは雫のペアだし、無碍にはできなかった。そしたら騙し討ちで彼女との見合いの話だったんだ」
「それが見合い?」
「あぁ。社長は俺と浅間さん両方に好意があると勘違いしてるようだった。だから、この場を見合いとして、娘と結婚してもいいと言い出してね」
神流さんはなおも続ける。
「付き合ってもないのにまさかって、はっきり断った。その時、自分には今、付き合ってて結婚したい大事な女性がいるってことも伝えた」
「……え」
思わず目を見開く。すると神流さんと目が合った。
結婚って……。あの時、そんな話したことなかったじゃない。
私? それとも違う誰か?
考えていると神流さんは前髪をぐしゃ、と掻く。
怒ってるわけではないが、寂しそうな目だと思った。
一言も聞かなかったのは私が怖かったから。事実を知ってしまうのが怖かったからだ。
はぁと神流さんが息を吐いて、続けた。
「5年前、浅間さんの父親である社長に呼ばれた。話した場所は一階のラウンジ。部屋には入ってない。必要なら社長に責任をもって証明してもらう」
あまり表情が変わらない人だけど、今日は特にそうだ。嘘を言っているとは思えなかった。
淡々と神流さんは続ける。
「営業の浅間さんと一緒にと社長に呼ばれたんだ。過去に仕事の話しをあのホテルのラウンジで話したことあったから仕事の話だと思った。しかも浅間さんは雫のペアだし、無碍にはできなかった。そしたら騙し討ちで彼女との見合いの話だったんだ」
「それが見合い?」
「あぁ。社長は俺と浅間さん両方に好意があると勘違いしてるようだった。だから、この場を見合いとして、娘と結婚してもいいと言い出してね」
神流さんはなおも続ける。
「付き合ってもないのにまさかって、はっきり断った。その時、自分には今、付き合ってて結婚したい大事な女性がいるってことも伝えた」
「……え」
思わず目を見開く。すると神流さんと目が合った。
結婚って……。あの時、そんな話したことなかったじゃない。
私? それとも違う誰か?
考えていると神流さんは前髪をぐしゃ、と掻く。