Rebuild ~SEな元カレは彼女との空白の5年間をとり戻したい~
神流さんが立ち上がり私の横に歩いてくる。
身体を固くすると、手を持たれた。
「実はこれからKANNAクリエイトに来てほしいと彼女を口説く予定です」
神流さんがはっきり言って、私は口をあんぐり開けた。
浅間さんも同じようだった。
「なんで……。私の方が役に立てます!」
「この世界は刻一刻と技術が新しくなっていますから、並みの努力ではどうしても取り残されてしまいます。5年ぶりに仕事して、芦川はそれ以上の努力をしていたとわかりました。元から要領のいい方ではないから余計に頑張っていたはずだ」
「そんなのわかるはず……」
「わかります。浅間さんが自分が作ったと言って送ってきた資料、芦川が作ったんだってこともすぐわかりました」
固まった浅間さんに、神流さんはさらに言う。
「浅間さんはあの資料に書かれてある意味は全てわからない状況でしょう。だから今日の打ち合わせで出たファイアウォールの機能に関する質問にも答えられてなかった。あれはいただいた資料にも書いてあったはずです。それ、代わりに芦川が答えてましたよね」
「それは、たまたま」
「芦川は私が大事に育てたんです。彼女はそれに食らいついて成長してきた。そんな彼女をあなたのいいように使われているのは、正直、腹が立ちます」
ぴり、と空気が張り詰めた。私は混乱して固まってしまう。
身体を固くすると、手を持たれた。
「実はこれからKANNAクリエイトに来てほしいと彼女を口説く予定です」
神流さんがはっきり言って、私は口をあんぐり開けた。
浅間さんも同じようだった。
「なんで……。私の方が役に立てます!」
「この世界は刻一刻と技術が新しくなっていますから、並みの努力ではどうしても取り残されてしまいます。5年ぶりに仕事して、芦川はそれ以上の努力をしていたとわかりました。元から要領のいい方ではないから余計に頑張っていたはずだ」
「そんなのわかるはず……」
「わかります。浅間さんが自分が作ったと言って送ってきた資料、芦川が作ったんだってこともすぐわかりました」
固まった浅間さんに、神流さんはさらに言う。
「浅間さんはあの資料に書かれてある意味は全てわからない状況でしょう。だから今日の打ち合わせで出たファイアウォールの機能に関する質問にも答えられてなかった。あれはいただいた資料にも書いてあったはずです。それ、代わりに芦川が答えてましたよね」
「それは、たまたま」
「芦川は私が大事に育てたんです。彼女はそれに食らいついて成長してきた。そんな彼女をあなたのいいように使われているのは、正直、腹が立ちます」
ぴり、と空気が張り詰めた。私は混乱して固まってしまう。