Rebuild ~SEな元カレは彼女との空白の5年間をとり戻したい~
 気づいた時には、背中でベッドのスプリングが音を立てた。
 目の前には天井、ではなく、神流さんの顔がある。

 今までの冷静な神流さんではない、熱っぽい、男らしい眼差しをしていた。

「ふぁ……」

 優しいキスをされて、一瞬目を閉じ、そっと開ける。
 目の前の真剣な神流さんの瞳に視線が絡めとられた。

「雫、すまない。あの時、引き留められなくて」
「私が言いだしたことです……」

「ここは分かって。俺は雫だけを愛してる。雫のことを考えてこれまでずっとやって来たんだ」
「はい」

 頷き、もう一度ゆっくり唇が重なる。
 ぎゅ、と強く抱きしめられると、まるでもう絶対に離さないと言われているみたいで、胸が苦しくなった。
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