スウィ−トキャラメル
可知の手がそっとあたしの手に触れる。
「あたしいいって言ったっけ?」
恥ずかしさのあまり嫌味になってしまう。
「いいじゃん。寒いしさ。」
今は12月真っ只中。
気温はマイナスの世界。
可知の手…暖かいな…。
「みりあの手、つめたいな。」
「心が暖かいからね−」
「反対だろ?」
「…バーカ」
「バカって言う方がバカ」
「もぉ!バカッッ」
あたしは繋いでいた手を離した。
「あ−ごめんごめん。俺が悪かったって」
「…知らないッッ」
可知のバカ。
「ごめんね。許して、みりあ」
「…………」
いつまで意地張ってるのよ!あたし!
あたしもごめんねって言えば言えばいい話でしょ?
も〜あたしのバカ!
「もぉ、許してよ」
あたしは可知の言葉を無視してズンズン歩いてく。
引っ込みづらいよ〜。
「……幸誠?」
あたし達二人の後ろで、声がした。