スウィ−トキャラメル



可知の手がそっとあたしの手に触れる。



「あたしいいって言ったっけ?」



恥ずかしさのあまり嫌味になってしまう。



「いいじゃん。寒いしさ。」



今は12月真っ只中。


気温はマイナスの世界。







可知の手…暖かいな…。








「みりあの手、つめたいな。」


「心が暖かいからね−」


「反対だろ?」


「…バーカ」


「バカって言う方がバカ」


「もぉ!バカッッ」


あたしは繋いでいた手を離した。





「あ−ごめんごめん。俺が悪かったって」


「…知らないッッ」



可知のバカ。


「ごめんね。許して、みりあ」




「…………」


いつまで意地張ってるのよ!あたし!


あたしもごめんねって言えば言えばいい話でしょ?



も〜あたしのバカ!



「もぉ、許してよ」



あたしは可知の言葉を無視してズンズン歩いてく。




引っ込みづらいよ〜。










「……幸誠?」












あたし達二人の後ろで、声がした。



< 56 / 137 >

この作品をシェア

pagetop