エリート航海士と結婚したら、溺愛されて愛の証を授かりました。
その後、遥生さんと私は家の途中にあるスーパーマーケットに寄った。スーパーで夕食のメニューを二人で考えながら材料を買ってから家に帰ると一緒にご飯を作る。
「遥生さん、玉ねぎ飴色になりましたよ。次はどうするんですか?」
「えっとですね。玉ねぎは粗熱を取って、ひき肉と他の材料を混ぜます」
料理を最近してなかった私は、ハンバーグの作り方すら忘れてしまっていて今は彼に教えてもらいながら作っている。彼はずっと一人暮らしだったしお休みは外食をしないで自炊していたらしく……自炊レベルを超えるくらい美味しいものを作るのだ。
ご馳走してくれた時はとても美味しすぎて、感動してしまったくらいだ。
種の形成をして、フライパンに油をひいてそれを火にかける。強火で加熱し、焼き色が付いたら裏返しをしてそこに水を入れて蓋をすると弱火で十分蒸し焼きをして串で肉汁が透明になったら完成。それが終わったらハンバーグのタレを作り、盛り付けるサラダを準備をしてさらに盛り付けた。
「いただきます!」
「いただきます」
二人で手を合わせてハンバーグに箸で一口サイズにすると口に運ぶ。もうそれはそれはほっぺたが落ちそうなくらい美味しかった。ふわふわでとろけるんじゃないかと思えるくらい。
「遥生さんは、料理どこで覚えたんですか?」
「友人が料理人なんです。その人に教えてもらいました。教えてもらっているうちにハマってしまったんですよ……料理教室も通ってしまうくらい」
「そうなんですか!? え、すごい。料理教室も通っていたなら納得です」
「あはは、恥ずかしいのですが。実のところですね、こうやって振る舞ったのは花埜さんが初めてなんですよ」
遥生さんはいろんな自分のことを教えてくれた。一番驚いたのは、中学生の頃に船で学校に通っていたことだ。彼は、『潮風通学』という制度を利用して離島の学校に行っていたのだとか。その時、海が好きになり海で仕事がしたいと思ったから今の仕事に出会えたのだと言っていた。
それから時間は経ち、彼が出航する前日になった。