エリート航海士と結婚したら、溺愛されて愛の証を授かりました。



 その日は、遥生さんが予約してくださった港の近くにあるホテルに宿泊とともにレストランで豪華なディナーをご馳走していただいたのだ。


「……ホテルは、ビジネスホテルでごめんね」

「そんなことないです。ホテルなんて滅多に泊まれないから、とても新鮮で……だけどビジネスホテルには思えないくらい素敵なホテルじゃないですか?」

「それは、探したんだよ。花埜さんに喜んで貰いたくて……リゾートホテルはあまりいい場所がなかったからそのお詫びだ」

「そんな。ご飯も美味しかったですし、ワインも美味しくて最高でした。それにこれも」


 私は左手の薬指にあるキラリと光るものを見る。それは、遥生さんが用意してくれた結婚指輪だ。
 いきなりな結婚だったのに、指輪まで用意してくれるなんて思ってなかったからとても嬉しかった……たとえ、偽装結婚みたいな感じだとしても。


「喜んで貰えてよかった。今日は疲れただろう? お風呂に先に入ったらどうかな?」

「そ、そうですね! じゃあ先に入ります」


 結婚して一緒には住んでいたものの、ホテルのベッドみたいなダブルベッドで寝たこともないしリビングより小さな部屋で一緒に過ごしたことがないから緊張していたところだった。タイミングよく沸いたお風呂に入るために脱衣室に急いで入った。




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