エリート航海士と結婚したら、溺愛されて愛の証を授かりました。
「私、仕事を辞めたくないんですけどいいですか?」
「それはもちろんです。調月さんの希望を尊重します」
「そうですか……」
考えたらこの話、悪い話ではないかと思い始めていた。だって私も、両親から縁談の話をされていてうまく交わしているところだった。
「交久瀬さん、そのお話お受けいたします」
「本当ですか!? 嬉しいです。ありがとうございますっ」
彼に手を握られ、ブンブンとされた私は【婚姻届】を記入した。仕事終わりだということもあり印鑑も持ち合わせていたので印も押すと全ての欄は埋まって残すは保証人の場所だけだった。