【完結】たこ焼き屋さんの秘密。
ランチを食べ終えてお店を出ると、郁さんは「次は水族館にでも行こうか、智世里さん」と優しく微笑みをから浮かべる。
私は「はい」と返事をすると、「じゃあ行こっか」と郁さんは私の手を引いて歩き出す。
「水族館なんて、久しぶりです」
「俺もだよ。いつ以来かな、水族館」
「私も結構久しぶりです」
水族館なんて最後にいつ行ったかな……? あんまり覚えてないなあ。
「水族館楽しみだね、智世里さん」
「はい。楽しみです」
郁さんは水族館に向かう間、楽しそうに色々と話をしてくれた。
「すみません、大人二枚ください」
「かしこまりました」
水族館の入口で水族館のチケットを二枚買ってくれた郁さんは、私にチケットを渡してくれた。
「じゃあ行こっか」
「はい」
水族館に入るとまず、可愛らしい小さなお魚がお出迎えしてくれていた。
「わあ、可愛い」
「本当だ。可愛いね」
たくさん泳いでいるその姿に癒やされてしまう。
「次は向こう行ってみよっか」
「はい」
水族館をゆっくり一つ一つ回っていく中で、郁さんは私のペースに合わせて歩いてくれる。
「智世里さん、見て。アザラシだって」
「アザラシ!可愛い……!」