【完結】たこ焼き屋さんの秘密。


 かと思ったら、その男の人の体を取り押さえるように捕まえた。

「おい、離せよ! なんなんだよ、てめぇは!」

 郁の下で暴れている男性を取り押さたままの状態で、郁は「はいはい、大人しくしろよー」と冷静な言葉を放っている。

「……チッ」

「智世里、そこのカバンあの人に返してやって!」

 そう言われた私は、「う、うん。分かった!」とカバンを拾い上げて、持ち主の女性に返した。

「どうぞ」

「あ、ありがとうございました!助かりました!」

 その後すぐにパトカーが到着して、ひったくり犯は無事に逮捕されたのだった。
 
「智世里、大丈夫だったか?」

「うん、私は大丈夫だよ。 それより、郁すごいね!」

 ひったくり犯捕まえちゃうなんて、本当にすごかった。自転車の前に急に立つから、びっくりしたよ。
 何するのかと思ったら、ひったくり犯捕まえちゃうんだもん。

「あんなの大したことないさ」

 私がそう聞いたら、郁はそう答えた。

「でも、なんであんなに強いの?」

 なんであんなに強いの? あんなに一瞬でひったくり犯捕まえちゃうし。
 あっという間過ぎてびっくりしか出来なかった。

「あれ?言ってなかったっけ? 俺実はーーー」
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