【完結】たこ焼き屋さんの秘密。
「えっ!? 今、なんて?」
なんて言ったのか聞き取れなかった! なんて言ったの?
「だから、俺実は、元警備員なんだ」
「……警備員?」
警備員って、あの警備員……?
「ああ、一年前までセキュリティ会社の警備員やってたんだよ」
「そ、そうだったんだ」
だからあんなに強かったんだ。郁が元警備員か……。
「後、昔から趣味で空手とか合気道も一通り習ってたから」
「へえ……。すごいね」
本当にカッコよかったよ、さっき。見惚れちゃいそうになったもん。
「でも今、習っててよかったと思ったわ」
「え?なんで?」
そう聞くと郁は、「だってそのおかげで、智世里のこと守れるだろ?」と甘いセリフを吐かれた私は、キュンとしてしまった。
「……郁、そういうのずるいよ」
「ん?」
「そうやってキュンとさせるの、ずるいよ」
彼氏の秘密を知ってしまった私は、さらに郁のカッコイイ姿を見て惚れ直してしまった。
「それは嬉しいね」
「本当にさっき、カッコよかったよ。 たこ焼き焼くの上手いだけじゃ、なかったんだね」
「まあな。ギャップ萌え?」
「うん、ギャップ萌え」
そんな私の彼氏は、まさにヒーローでした。
【完結】