ヴァンパイアに魅せられて〜絆〜
「リュート君かぁ、良い名前だね」


頭をなでると首を縦に振る。


「僕ね。リュート様みたいに強くなって、お母さんを守るんだ」


国民の憧れを一身に背負った人間を自分は独り占めしているんだという、罪悪感と優越感。


どちらが強いかはわからない。


唯一つわかるのは、彼を独り占めしなければ自分に自由はない。


彼に縛られているという時点で自由はないのかもしれないが、少なくとも自分で決めた契約だ。


後悔はしない。
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