ヴァンパイアに魅せられて〜絆〜
「起きた?」


はじめての野宿。


あちらの世界から寝袋を持参したとは言え、布団に慣れきった体には、堪える。


「リュートは、寝なくて大丈夫なの?」


一日中火の番をしていたであろう彼に声をかける。


「………あぁ」


リュートの顔が曇る。


私の体の疲れがとりきれないのは、野宿のせいだけではない。


「そう、ならいいわ」


お互いにその理由を触れないようにしている。
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