ヴァンパイアに魅せられて〜絆〜
「リュート君、口開けて。今楽にしてあげるから」



「・・・お、ね・・・ちゃん」


苦しいはずなのに私に笑顔を向ける。


こんな彼を助けたいと思うのは自然なことだと思う。


「・・・っ・・・」


覚悟を決めていても痛いものは痛い。


肌を這ったナイフの跡が赤くなる。


滴る液を彼の口元へ持っていく。


「飲んだら、楽になるから」


一滴口に含んだだけで顔色がよくなる。



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