ヴァンパイアに魅せられて〜絆〜
「・・・答えてはくれないんだな」


さびしそうなリュートの視線が私の罪悪感を駆り立てる。


「私は・・・」


「動くな!」


『リュートが大事だよ』そう言うはずだった。


そんな私の声をリュートは遮る。


気がついた時には彼の腕の中。


「さすがですね。王子様」


そこに立っていたのは昨日の山賊。


「チィ・・・」


リュートは軽く舌打ちをして私を抱き寄せる手に力を入れる。
< 28 / 44 >

この作品をシェア

pagetop