ヴァンパイアに魅せられて〜絆〜
「何が目的だ」


しばらくにらみ合ったあと、リュートが口を開く。


「・・・それを聞くのか?」


目的なんて決まっている。


「とりあえず、その物騒なものをしまってくれないか?そんな恰好をしているところを見ると、国王には秘密なのだろう。力を解放せずに、俺達全員を相手にするのはいくらあんたとは言え、不利だと思うんだが・・・」


妖しく笑う山賊に、リュートは再び舌打ちすると剣を鞘に納める。


「ここは、目立つ。俺達の隠れ家に案内しよう」


そう言って、私たちを囲むように迫る。
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