ヴァンパイアに魅せられて〜絆〜
気づかないふり。


これで何度目だろう。


重い体に鞭をうち起き上がる。


「もう少し休んでろ」


起きあがろうとする私の頭を抑え再び膝の上にのせる。


「もう大丈夫よ」


何でもないように笑ってみせれば、彼も無理じいはしない。


彼の優しさが、罪悪感からくるものであることはわかっている。


それでも、今はその罪悪感にすがるしかない。
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