ヴァンパイアに魅せられて〜絆〜
そんな、2人分の荷物を軽々と持ち歩くリュートは男の子なんだと実感する。


「どうした?」


「いや、リュートは男の子なんだなぁ。って思っただけ」


視線を感じて振り返った彼に思ったままの言葉を口にする。


「はぁ?」


おもしろくなさそうに眉をひそめる。


「あっ、別に今まで、女の子だと思っていたわけじゃないよ」


「あっ、見えてきた」


あわてて言い訳する私の言葉を無視して山小屋を指さす。


「本当だ」


お世辞にもきれいだとは言えない山小屋でも、野宿よりはいくばかりかましだ。
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