ダイエット中だけど甘い恋を食べてもいいですか?
「女ってさ、全然太ってないのに、どうしてダイエットしなきゃって大騒ぎするんだろうな。君だって、それでいいじゃない。」
そう言うやいなや、男は私のTシャツの袖から出ている、右上腕のたるんだ部分を「ぷにっ」とつまんだ。
「ぎゃっ!な、何するんですか!」
しかし男は私の抗議をものともせず、平然と言い放った。
「女の身体はぷにぷにしてるほうが可愛いと思うけどな。」
その言葉に私は口を尖らせ、つい拗ねた口調になってしまった。
「・・・男の人ってすぐそういうこと言いますよね。君はそのままでいい、女はぽっちゃりしてた方が可愛い・・・なんて言ってても、結局彼女に選ばれるのはスレンダーでスタイルの良い女性なんです。」
私は勇吾君のことを頭に浮かべながら文句を言った。
けれど男は眉一つ動かさず言った。
「嘘じゃないよ。俺はモデルみたいなやせ細った女になんか興味ないけど。」
「そんな言葉、にわかには信じられません。」
「なんかこじらせてんね?失恋でもしたの?」
「・・・・・・。」
「ふーん。図星?」
・・・どうせこの人だって、女優さんみたいにスタイルの良い彼女がいるに決まってる。
「俺、澤乃井響って言うんだけど。君、名前は?」
「久保田芽衣です。」
「へえ。芽衣、か。可愛い名前だね。よろしくな、芽衣。」
いきなりファーストネームを呼ばれて、胸がドキッとした。
え・・・この人、もしかして海外生活が長い人、とか?
さっきの「ぷにっ」といい、他人との距離感、バグってない?
私の脳内がパニックになっていると、澤乃井さんのスマホが鳴った。
「やべ。仕事の電話だ。じゃ、芽衣、またな。」
澤乃井さんはそう言うと、勢いよく椅子から立ち上がり、スマホに耳を当てながら足早にフィットネスクラブから去って行った。
「澤乃井響さん・・・か。仲良くなれたらいいなぁ。」
私はスーツ姿の澤乃井さんの広い背中を見送りながら、そうつぶやいた。
そう言うやいなや、男は私のTシャツの袖から出ている、右上腕のたるんだ部分を「ぷにっ」とつまんだ。
「ぎゃっ!な、何するんですか!」
しかし男は私の抗議をものともせず、平然と言い放った。
「女の身体はぷにぷにしてるほうが可愛いと思うけどな。」
その言葉に私は口を尖らせ、つい拗ねた口調になってしまった。
「・・・男の人ってすぐそういうこと言いますよね。君はそのままでいい、女はぽっちゃりしてた方が可愛い・・・なんて言ってても、結局彼女に選ばれるのはスレンダーでスタイルの良い女性なんです。」
私は勇吾君のことを頭に浮かべながら文句を言った。
けれど男は眉一つ動かさず言った。
「嘘じゃないよ。俺はモデルみたいなやせ細った女になんか興味ないけど。」
「そんな言葉、にわかには信じられません。」
「なんかこじらせてんね?失恋でもしたの?」
「・・・・・・。」
「ふーん。図星?」
・・・どうせこの人だって、女優さんみたいにスタイルの良い彼女がいるに決まってる。
「俺、澤乃井響って言うんだけど。君、名前は?」
「久保田芽衣です。」
「へえ。芽衣、か。可愛い名前だね。よろしくな、芽衣。」
いきなりファーストネームを呼ばれて、胸がドキッとした。
え・・・この人、もしかして海外生活が長い人、とか?
さっきの「ぷにっ」といい、他人との距離感、バグってない?
私の脳内がパニックになっていると、澤乃井さんのスマホが鳴った。
「やべ。仕事の電話だ。じゃ、芽衣、またな。」
澤乃井さんはそう言うと、勢いよく椅子から立ち上がり、スマホに耳を当てながら足早にフィットネスクラブから去って行った。
「澤乃井響さん・・・か。仲良くなれたらいいなぁ。」
私はスーツ姿の澤乃井さんの広い背中を見送りながら、そうつぶやいた。