ダイエット中だけど甘い恋を食べてもいいですか?
「もうトレーニングは終わり?」

「は、はい。」

「この後、何か用事ある?」

「いえ。特になにも・・・。」

「もし嫌じゃなかったら、メシ付き合ってくれない?一人で食うのもなんだか侘しいから。」

「わ、私なんかで良ければ。ぜひ・・・」

気が付くと、意中の人に誘われた乙女のような受け答えをしていた。

いやいや、本当にそんなんじゃなくって。

「じゃ、20分後にビルの入り口で待ってる。」

そう言い終わると澤乃井さんはトレーニングルームを出ていった。

「わわわ・・・!!!」

私は急いでシャワーを浴び、髪を乾かし、ロッカールームで服に着替えた。

今日の私の服はピチピチの黄色いTシャツに、ダボっとしたカーキ色のチューリップスカート。

大きな胸が目立って、きっと太って見えてしまうかも。

こんなことならもっと女の子らしい服を着て来ればよかったと、ちょっぴり後悔した。

髪を後ろでお団子にし、スポーツバッグを持ってビルの入口へ急ぐと、グレーのシャツに黒いジャケットを着た澤乃井さんは、もうスマホを見ながら私を待っていた。

「スミマセン!お待たせしました。」

「全然。じゃ、行こうか。」
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