ダイエット中だけど甘い恋を食べてもいいですか?
「じゃ、芽衣、座ろうか。」
「ハイ。」
私と響さんは、窓際の一番奥の席に座った。
すぐにウエイトレスの女性が、お水とおしぼりを持ってきてくれた。
「三好さんって響さんのご友人なんですね。」
私は水を一口飲んでから、そう言った。
「ああ。高校時代からの付き合いでね。同じ剣道部だったんだ。俺が主将でアイツが副主将。数えきれないくらい喧嘩もしたけど、今では一番の親友かな。」
「へえ。そういうの素敵。」
「三好はパティシエになってしばらくは都心のレストランで勤めていたんだけど、子供が喘息気味だっていうんで、空気が綺麗なこの土地で店を開いたんだ。それからは俺も年に2回くらいは顔を出すようにしてる。」
「いいなぁ。男の友情って。」
「そんな大層なモンじゃねえけどな。そんなことより」
響さんはショーケースの方へ目を向けた。
「ここのスイーツは全部野菜で作られてるんだ。」
「ハイ。ヘルシーですね。」
「そしてカロリーは普通のケーキの3分の1しかない。だから芽衣、今日は思う存分スイーツを食えばいい。今まで大好物の甘いものを我慢してきたんだろ?」
「え・・・?」
「ダイエットもいいけど、たまには甘いモンも食わないと、ストレスでリバウンドするぞ。」
「・・・はい!ありがとうございます。」
響さんは私の為に、わざわざこんな遠くまで連れて来てくれたんだ。
そう思うと、心の中が温かい何かで満たされた。
「じゃあ、選びにいこうか。」
私は響さんの後ろに付いてショーケースの前に移動した。
どれもこれも美味しそうで目移りしてしまう。
なかなか決められない私に、響さんは「ゆっくり決めればいいから。」と言い残し、自分はコーヒーゼリーだけをオーダーして席へ戻って行った。
散々迷ったあげく「ホウレン草とかぼちゃのシフォンケーキ」「トマトのフロマージュ」「にんじんのムース」を頼むことにした。
飲み物はフレッシュなイチゴジュース。
ウキウキな気分で席へ戻ると、響さんは厳しい表情でスマホ画面に目を向けていた。
響さんは時々そういう顔をする。
その瞬間、私が知らない響さんの世界があるのだ、ということを思い知らされる。
「ハイ。」
私と響さんは、窓際の一番奥の席に座った。
すぐにウエイトレスの女性が、お水とおしぼりを持ってきてくれた。
「三好さんって響さんのご友人なんですね。」
私は水を一口飲んでから、そう言った。
「ああ。高校時代からの付き合いでね。同じ剣道部だったんだ。俺が主将でアイツが副主将。数えきれないくらい喧嘩もしたけど、今では一番の親友かな。」
「へえ。そういうの素敵。」
「三好はパティシエになってしばらくは都心のレストランで勤めていたんだけど、子供が喘息気味だっていうんで、空気が綺麗なこの土地で店を開いたんだ。それからは俺も年に2回くらいは顔を出すようにしてる。」
「いいなぁ。男の友情って。」
「そんな大層なモンじゃねえけどな。そんなことより」
響さんはショーケースの方へ目を向けた。
「ここのスイーツは全部野菜で作られてるんだ。」
「ハイ。ヘルシーですね。」
「そしてカロリーは普通のケーキの3分の1しかない。だから芽衣、今日は思う存分スイーツを食えばいい。今まで大好物の甘いものを我慢してきたんだろ?」
「え・・・?」
「ダイエットもいいけど、たまには甘いモンも食わないと、ストレスでリバウンドするぞ。」
「・・・はい!ありがとうございます。」
響さんは私の為に、わざわざこんな遠くまで連れて来てくれたんだ。
そう思うと、心の中が温かい何かで満たされた。
「じゃあ、選びにいこうか。」
私は響さんの後ろに付いてショーケースの前に移動した。
どれもこれも美味しそうで目移りしてしまう。
なかなか決められない私に、響さんは「ゆっくり決めればいいから。」と言い残し、自分はコーヒーゼリーだけをオーダーして席へ戻って行った。
散々迷ったあげく「ホウレン草とかぼちゃのシフォンケーキ」「トマトのフロマージュ」「にんじんのムース」を頼むことにした。
飲み物はフレッシュなイチゴジュース。
ウキウキな気分で席へ戻ると、響さんは厳しい表情でスマホ画面に目を向けていた。
響さんは時々そういう顔をする。
その瞬間、私が知らない響さんの世界があるのだ、ということを思い知らされる。