ダイエット中だけど甘い恋を食べてもいいですか?
「遅れてごめんなさい。」

いつの間にか、ベージュ色のシルクのノースリーブブラウスにミニのタイトなスカートを履いた女性が私に微笑みかけ、勇吾君の隣に腰を下ろした。

勇吾君の顔がパッと明るくなった。

「メイメイ。こちらが山口文香さん。」

「初めまして。山口文香です。」

文香さんが唇だけで笑みを浮かべ、挨拶をした。

「は、はじめまして。勇吾・・・清水くんの友人の久保田芽衣です。」

文香さんを一目見て、私は女としての負けを認めざるを得なかった。

その整った顔、セクシーな服装とそれを着こなせる完璧なスタイル、たおやかで艶っぽい声。

どうしてこんなに素敵な女性が勇吾くんの彼女に?と思ってしまうくらい、文香さんは女として完成されていた。

文香さんはウエイトレスにコーヒーを頼むと、私の顔を見た。

「芽衣さんのお話は勇吾君からいつも伺ってるわ。とても可愛らしい方ね。」

「そんな・・・。文香さんの方こそお綺麗で・・・。それにその服、とても素敵。」

私は文香さんのノースリーブブラウスに目をやった。

「ああこれ?これは勇吾君にプレゼントしてもらったの。ね?」

「うん。気に入ってもらえて嬉しいよ。」

勇吾君が眉毛を下げ、面映ゆい表情でそう頷いた。

「誕生日プレゼントですか?」

「ううん。デート中にこのブラウスがショーウインドウに飾られてあって、欲しいなあって言ったら勇吾君がその場で買ってくれたの。」

「へえ・・・。」



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