ダイエット中だけど甘い恋を食べてもいいですか?
「じゃ、俺達そろそろ。芽衣、行こうか。」

響さんが私を促した。

「はい。」

私も席を立ちあがった。

「今日はわざわざありがとうございました。」

思い出したように勇吾君が頭を下げた。

「芽衣さんに会えて良かったわ。・・・澤乃井さんにも。」

文香さんはそう誘うような声で響さんをみつめた。

「俺も文香さんに会えて良かったです。」

響さんも文香さんに熱っぽい眼差しを投げかけた。

店を出た私は響さんに探りを入れるようにつぶやいた。

「文香さん・・・綺麗な人でしたね。」

「ああ・・・そうだな。」

響さんは上の空でそう返事をした。

響さん・・・文香さんの事、好きになっちゃったんでしょ?

そんな言葉が喉の奥で行き場を失くしていた。

「芽衣と食事に行きたいと思っていたけど、急ぎの仕事が入った。悪い。じゃ、またな。」

響さんは何かに気を取られたようにそう言うと、足早に私の元から去って行った。







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