ダイエット中だけど甘い恋を食べてもいいですか?
「ああ。なるほどね。」

勇吾君は私の言葉を聞いても、驚いた顔ひとつ見せずに、うつろな目を私に向けた。

「やっぱり、そういうことか。俺がメイメイに相談したかったのも、そのこと。」

「やっぱりって・・・」

「いや、文香さん、澤乃井さんと連絡取り合ってるみたいだからさ。」

「それ、本当?」

「ああ。デート中、文香さんがトイレに立った時に、テーブルに置いた文香さんのスマホにラインメッセージが表示されたんだ。その発信元は澤乃井さんからだった。」

「そうなんだ・・・。」

やっぱり響さんと文香さんは、連絡先を交換している仲なんだ。

勇吾君という第三者からその事実を知らされて、私の心は沼の底に沈んだようにずっしりと重くなった。

それまではほんのわずかな期待があった。

もしかして、ふたりのことは私の考えすぎなんじゃないか・・・と。

私の行き過ぎた妄想かもしれない・・・と。

「で、でも、ラインで連絡を取り合うくらい、ありえることかも。友達として・・・とか。」

私は勇吾君を励ますために、そんな詭弁を述べた。

でも私だって、心の底では響さんと文香さんの仲を認めていた。

「ふん。友達だって?いい歳の男と女だぜ。やることやってるに決まってんだろ?」

「・・・やだ。」

「え・・・?」

「そんなの、本当は認めたくない。」

「メイメイ?」

「だって・・・私まだ、澤乃井さんに・・・響さんに、ちゃんと自分の気持ちを伝えてない。」

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