ダイエット中だけど甘い恋を食べてもいいですか?
「それで?」

「え?」

「どうして芽衣は勇吾君とあのホテルにいたの?」

響さんの目が私の心を探るように熱を帯びた。

次の響さんの獲物はどうやら私みたいだ。

「あの・・・えっとですね」

それでも本当の事を言うのは恥ずかしくて、私は口ごもってしまった。

「俺も一応刑事の端くれだから、俺なりの推理をしてみたんだけど・・・聞く?」

「・・・それ、多分当たってると思います。」

「まあ、聞いて。」

響さんは探偵が事件の真相を暴くように自分の考えを話し始めた。

「勇吾君は俺が森野カオリに送ったラインメッセージを何かの拍子に見たんだろう。」

「・・・・・・。」

「そしてそれを確認するためにあのホテルのラウンジバーで俺と森野カオリを監視することにした。」

「・・・・・・。」

「しかし男一人でラウンジバーに居座るのは目立つから芽衣を誘った。違う?」

「・・・まあそんな感じです。」

そう言って私は曖昧な笑みを浮かべた。

どうやら私の醜い嫉妬心はバレてなかったらしい。

響さんは紅茶を一口飲むと、少し怒ったような顔をして私の顔をみつめた。



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