恋なんかはじまらない



何だか分からないけど、



最近陽平を避けてしまう。



なんか心臓も痛いし・・・



病気かな?




「あっ、志稀おはよ!一緒に学校行こー」



「あ・・・繭、おはよー」




元気よく声をかけてきたのは、


中学校一緒だった友達の繭。


明るくて、誰とでも仲良くなれる子。




「あれー、志稀元気無くない?」



「えー、そっかな?」



「何かあったのー?」




…繭って病気の事とか分かんないよね。



まぁでも・・・




「あのさー、なんか最近心臓痛いんだけど、病気かな?とか思って」



「ぷ、心臓って。志稀は元気だから病気になんないと思うけどなー」



「ほっ、よかったぁ。じゃあ何なんだろ」



「…んー。志稀ってぇ、好きな人いないの?」




・・・好きな人って・・・



話関係ないじゃん!!



って思ったけど一応答えるあたし。




「えー、いないよ。何?急に」



「あたしが知る限り、それは恋だと思うんだけどなー」



・・・・・・・



こ、




「恋ぃ!?」



「しーっ、声大きいよ志稀!」




恋って・・・



恋って!



そんなのありえなーい!




「こ、恋って、LOVEの!?」



「決まってんじゃん!」




恋って・・・



そんなの相手いないし。




「ありえないってそんなの・・・
だって好きな人なんてできないし」



「そんな事無いよー?
気づいたらもう好きになってるってケースもあるし♪」



「・・・」





気づいたら・・・




好きになってる?





「志稀もいるんじゃないの?そういう人。
近くにいる人とかね」




近くに




一番




あたしの近くにいたのは





【陽平】――・・・














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