恋なんかはじまらない
スキ?
次の日、あたしは途中で理穂と合流し、学校へ向かった。
「…志稀、どした?元気無くない?」
理穂はあたしの顔を、心配そうな顔で覗き込んだ。
あんまり、今は顔見ないでほしい。
「なんでもないよ」
あたしは笑ってみせたけど、理穂はやっぱり逃さない。
「嘘。志稀っていつもそうじゃん。
なんでも一人で抱え込んで、何も教えてくれないの」
理穂の丸い目があたしを見つめる。
「少しは…あたしも頼ってよ」
理穂…
心配ばっかさせて、ごめんね。
やっぱり理穂には、全部お見通しだ。
何であたしは、大事な人を苦しませることしかできないのかな。
こんなに、こんなに想ってくれてるのに。