恋なんかはじまらない



「だから、そんな難しく考えなくていいってこと。すぐ分かることじゃん」



「わ、分かんないよっ。だから今、聞いてんのに」



理穂の言ってることが分からない。


簡単なことなの?


あたしには、すごく難しく思えるんだけど。



「まぁ色々あるけど、1つはその人と一緒にいて楽しい、とか」




…陽平といると、楽しい。



小さい頃からずっと一緒で、あいつが隣にいるのが当たり前みたいになってた。




「後は…気がついたら目で追ってるとか」




…そうなのかな。



自分では気付かなかっただけなのかな…



今思うと、いつも視線の先には陽平がいて。



無意識に、目で追ってた。




「その人のことを想うと、胸が痛くなる、とかね」



「・・・」



「あはっ、なーんてね。
我ながらクサいわー」



理穂は笑ったけど、



あたしはまるで、自分の心の中を全て見られたような感じだった。




< 29 / 29 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:5

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

片思い【詩集】

総文字数/0

詩・短歌・俳句・川柳0ページ

表紙を見る
大好きだった君へ伝えたい

総文字数/1

詩・短歌・俳句・川柳1ページ

表紙を見る
ただ君が、愛してくれると言うならば。

総文字数/371

恋愛(その他)2ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop