恋なんかはじまらない
「・・・なんてーかさー」
親友の里穂がニヤついた顔で聞いてくる。
「何?」
「アンタ達ほんっと仲いいよねー。
付き合っちゃえばいいのに」
「は!?バカ言わないでよっ、
あたしらは家族みたいなもんだし」
「え~~だって、周りから見ればカップルみたいなもんだよ?」
「周りからどう見られようが、それだけは絶対無いから!神に誓うよ」
そう。
あたし達が恋人同士なんて事は絶対ありえない。
小さい頃から一緒だったせいか、
あたしはアイツをそんな対象に見てないし、
きっと陽平も同じ。