恋なんかはじまらない
「それにねぇ~、あたしは陽平みたいなガキは嫌いなの!付き合うんならやっぱオトナな人でなきゃ!」
「はっ、その前にお前を相手にする奴が居ればだけどな」
陽平があたしの肩から顔を出す。
「なっ、余計なお世話!アンタじゃないんだから」
「ってか陽平くん居たんだ」
「そりゃあコイツ声でっけぇから」
「そんなでかくないし!指さすなっ」
この時は
傍に居て
毎日ケンカして
笑い合って
それが当たり前だった。
そう思ってた。
だからずっと甘えてたんだ。
ずっと一緒にいたいって・・・
だけど、認めたくなかったのかもしれない。
ずっとこんな形で傍に居るなんて
そんなの
無理だったっていう事を。