結婚は復讐の為だった…いつのまにか? …
復讐5
数日後。
柚香は順調に回復して、無事に退院の日を迎えた。
聖が迎えに来る予定だったが、外せない会議が入った為来れなくなり森沢が対応してくれた。
退院する柚香は、聖が買ってくれた新しい服を着ていた。
明るいブルーのセーターに、茶色いシックなロングフレアスカート。
靴はシックな黒いパンプス。
髪は相変わらずのボサッとしたボブヘヤーに、大きな眼鏡は変わらないが服のイメージでいつもより随分と若く見える柚香。
森沢に迎えに来てもらい宗田家に戻った柚香は、新しい部屋を案内してもらった。
聖龍の部屋の隣で広々とした洋室。
寝室は奥側に別にあり、南向きの窓から心地よい日差しが入って来る長めの老い2階の部屋。
カーテンもピンク系で可愛い。
クローゼットと机と椅子、そして中央にはくつろげる黒皮のソファーと木製のテーブルが置いてある。
お手伝いの部屋とは随分と違い、柚香はちょっと戸惑っていた。
荷物は全て持ってきてあり、整理されていた。
柚香は入院中に使った荷物を整理して、一息ついてソファーに座った。
窓から見える夕日を見ながら、小さく微笑んだ柚香。
(柚香…。素敵な名前を付けてもらったのね…)
それは未だ、柚香が3歳になった頃だった。
公園で遊んでいた柚香の前に現れた愛香里がいた。