結婚は復讐の為だった…いつのまにか? …
今日も仕事を終え、綺麗に結っていた髪をほどいてメガネをかけて帰宅している柚香。
すると。
駅前まで歩いてくると、柚香の前に数名のガラの悪い女達が現れた。
「あんた、宗田ホールディングの副社長につきまとっているんだろ? 」
金髪で、派手な化粧をしたレディースっぽい女が柚香に歩み寄って来た。
そして一緒に取り巻いて来た数名の、同じような金髪に派手な化粧の女たちが柚香を囲った。
一人は威嚇の為かチェーンを振り回し、もう一人は金属バッドを持っている。
柚香は黙ったまま女達を見ていた。
「冴えない女が、何やってんだ? 」
「お前みたいなブスが、あの宗田ホールディングの副社長が相手にするわけねぇだろ! 」
「立場弁えろ! 」
威勢の良い声を上げてきた女達を、一人一人じっと見た柚香。
「お前、今すぐ金奈市から消えろ! 」
「そうしたら、見逃してやる」
柚香は口元でクスッと笑った。
そんな柚香を見ると、女達はイラっとした目に変わった。
「あなた達は、誰ですか? 」
ん? と、目を座らせた女達。
「せっかくなので、お名前くらい聞かせて頂けませんか? 」
チッと舌打ちをした金髪の女が、柚香の胸ぐらを掴んだ。
「テメー、なめてんのか? 誰に向かって口きていると、思ってんだ? 」
威嚇してきた女を、柚香は余裕の目で見ていた。
「あの、質問をしているのはこちらですが? 」
「はぁ? テメーみたいなブスに、いちいち名乗るわけねぇだろ! ふざけんな! 」
グイッと、柚香の胸ぐらを締め上げた女。
「…ふざけているのは…どっちだよ! 」
柚香の声のトーンが低くなり、女の顔が怯んだ。
ガシッと、柚香は女の手を掴んだ。
突然、強い力で捕まれた女は驚いた目を柚香に向けた。
「誰に向かって口きている? だったら名乗れよ! テメーの名前くらい! 」
「はぁ? 」
そっと、メガネを外してポケットにしまった柚香。
「お前ら…ただの下っ端だろ? 総長は誰だ? 」
「な、なに? 」
「誰だって聞いてんだよ! 」
グイッと、腕をねじ上げられた女は身動きが取れなくなった。
「誰の差し金? 」
「な、なんだよ。やろうってのか? 」
「お前が望むなら。ただし…二度と、表出れなくなるけど? 」
「なに? 」
囲っていたチェーンを持った女が、柚香のは背後から近づいてきてチェーンを振り上げた!
だが…。
ボコッ!
チェーンが振り下ろされる前に、女の鳩尾に柚香がケリを入れた!
その勢いで、女は吹き飛ばされた。
「っつ…こいつ! 」
金属バッドを持った女が殴りかかって来たが、柚香がひょいと交わしてしまった。
「お前…何者? 」
金髪の女が怯んだ顔で言った。
「別に…何者でもないけど? 」
余裕の笑みを浮かべた柚香。