結婚は復讐の為だった…いつのまにか? …
復讐9
途中までバスで帰ろうと、バス停へやって来た柚香。
なんとなく足に痛みを感じた柚香は、立ち止まって自分の足を見てみた。
特に外傷はないが、チェーンを持っていた奴の鳩尾を蹴った時にチェーンが当たったのか痣ができていた。
ちょっとスカートが膝丈ゆえに、痣が目立つようだ。
痣を見てため息をついた柚香。
「あれ? 柚香? 」
声がして振り向くと、バズ停に向かって歩いてくる聖の姿が見えた。
迎えに来てもらっていたんじゃないの?
そう思いながら柚香は聖を見ていた。
「今帰りなのか? 」
歩み寄てくる聖に、はにかむ笑みを浮かべた柚香。
「どうしかしたのか? 」
「え? 」
「顔色が良くないから」
ヌ~っと顔を近づけてきた聖が、じっと柚香を見つめて来た。
「い、いえ…。仕事の帰りなので、そう見えるのかと思います」
「そうか? 」
「はい…」
何となく何か隠しているような柚香に聖は気づいた。
「もうすぐ迎えが来るから、一緒に帰ろう」
「あ…私はバスで帰ります…」
「どうしてだ? 帰る場所は同じじゃないか」
「そうですが…」
「わざわざバスで帰る事はない」
と、柚香の手を取って歩き出した聖。
聖につられて歩き出した柚香だったが。
ズキン! と足に痛みを感じて、立ち止まった。
「どうしたんだ? 」
「い、いえ…」
ん? と、聖は柚香の足を見た。
すると右のふくらはぎに辺りに、痣ができているのが見えて驚いた。