結婚は復讐の為だった…いつのまにか? …
「お前、柚香と親しいのか? 」
(柚香? あの子は命の恩人。昔、危ない所を助けてもらったんだ。一人で7人も倒しちゃった、見た事もないすげぇ女でさ。それ以来ずっと親友だよ。今の店を持てたのも、柚香のおかげさっ。あんた、柚香の事知ってんの? )
「柚香は、俺の妻だよ」
(え???? マジ? 柚香って、結婚してたんだ。誰とも結婚しないし、男なんて信じていないってずっと言ってたんだけど。…アンタに似ているから、気が合いそうだね)
「…そうだな。…」
(それで頼みって? )
「詳細は後でメールする。とにかく、柚香が危ない目に遭わないように守ってほしんだ。俺も気をつけているが」
(分かったよ。今日、なんか変な奴等に絡まれていたけど)
「ああ、見ていた。助けに入ろうとしたら、お前が現れたから」
(そっか。柚香は、日頃は大人しくてそんな強い人に見えないから。ああゆう連中が、絡んで来やすいかもしれないわ)
「ああ…。ちょっとやっかいな奴が、絡んできているんだ」
(そうだったのか。わかったよ)
「じゃあ、後はメールを見てくれ」
(分かった)
電話を切った聖は、瑠璃華にメールを送った。
実は聖は柚香が絡まれている現場を見ていた。
殴られそうな柚香を見て、助けに行こうとしたが柚香が逆に攻撃し始めて瑠璃華が来た事で引き下がったのだ。
聖も昔は隠れて裏社会の人間と親しくしていて、喧嘩ばかりしていた時期があった。
瑠璃華はレディース総長の時に聖と知り合い、助けてもらっていたのだ。
暫くの年月疎遠になっていたが、再び連絡をしたようだ。
暫くして。
聖は寝室へやって来た。
先に寝ている柚香の隣に入った聖は、スヤスヤと眠っている柚香の寝顔をじっと見つめた。
愛香里が殺された日。
聖は練習から戻ってくると、驚いて茫然と佇む幼い日の柚香を見た。
面識がなく誰なのか判らなかった聖。
しかし、その後に柚香逃げるように去って行った。
その直後に愛香里が殺されている現場を見て、聖は柚香が殺して逃げたとずっと思い込んでいた。
愛香里が殺された憎しみと悲しみを、とこに吐き出せばいいのか分からいまま、柚香に怒りを向けてそれを糧に生きてきた。