結婚は復讐の為だった…いつのまにか? …
復讐12
なに? この展開…。
兄さん、何も話してくれなかったのに…。
(…ごめんなさい。今は、貴方に会えません…。辛いんです…)
「その辛さを、俺も半分もらってはいけない? 一人で背負う事はないじゃないか、俺達は夫婦なんだよ」
(…できません。ごめんなさい…)
プツン…電話は切れてしまった。
聖はかけ直したが、繋がらなかった。
とりあえず時間が必要だと思った聖は、しばらく時間を置く事にした。
翌日。
金田理子が指名手配になりテレビでも報じられた。
ホテルで聖を待ち構えていた理子は、聖を連れ出す為に雇った女子社員が失敗した事に逆上して、テーブルにあった皿を割り女子社員を指したそうで、すぐに警察へ通報された。
しかし、駆けつけた警察官を振り切って逃走した理子。
指名手配をかけられた理子だが、今現在見つかっていないようだ。
不安を抱えながら聖はいつも通り出勤して行った。
そんな中。
聖龍は有休をとって家に残っていた。
「…もう決着つけなくちゃな」
愛香里の写真を見ながら、フッと小さく笑った聖龍。
ピンポーン!
チャイムの音に、聖龍はゆっくりと視線を上げた。
そして愛香里の写真を机の上に置いて、そのまま部屋を出て行った聖龍。